MARUMI|マルミ光機株式会社

FILTER NOW

CPL/ND WRの実践的活用

2021.09.06


実際にCPL/ND WRを使用して撮影した作例を中心に、実践的な活用方法について見ていきましょう。

①水没林の色彩と湖面の表情の表現

フィルターを使用しないで撮影
シャッタースピード1/60

CPL/ND WRの実践的活用

 

フィルターを使用した作例
CPL/ND 64 WRを使用して1秒のスローシャッターで撮影

左:反射を強調 右:反射をカット


湖面のさざ波のギラギラがスローシャッターによってきれいに消えました。
またCPL効果によって、水没林の若葉や青い水面の色彩に変化が現れます。
作例は意図的にCPLの効果を両極端に振っていますが、実践的な撮影においては、CPLを回転させて好みのポイントに落とし込むことになります。

②滝の流動感と水面や岩の照り感の表現

フィルターを使用しないで撮影した場合
シャッタースピード1/30秒で撮影

CPL/ND WRの実践的活用

 

フィルターを使用した作例
CPL/ND32 WRを使用して1秒のスローシャッターで撮影

左:反射を強調 右:反射をカット


スローシャッターで流動感を表現するだけであればNDフィルターだけで事足ります。
しかし、CPL/ND WRを使うことで、滝の表現の幅が格段に広がります。
反射を強調して撮影すると、滝の水面の反射を拾って流れがよりダイナミックに写すことができます。岩肌の照り感などもきっちり表現できます。
一方、反射をカットして撮影すると、滝の表面の照りが消えてひっそりとしずかな表現になりますが、その代わりに、水の透明感や、滝を取り巻く緑の色彩が豊かに表現できます。
どちらがいいのか、どの辺に落としどころを見つけるのかは、あなたのセンス次第です。

③水面とリフレクションの表現

フィルターを使用した作例
CPL/ND16を使用、CPLの反射カット効果の大小で変わる描写の例

左:PL効果大 右:PL効果小


川霧がうっすらと左から右へ流れている夕刻のシチュエーションで、CPL/ND16を使用して10秒程度のスローシャッターを切りました。これで、微かにさざめいている川面が静かになります。
そのうえで、CPL効果の大小で表現がどのように変わるかをご覧いただきます。
CPLの反射カット効果を大きくすると、水面の余計な反射がカットされ、リフレクションがきれいに写り込みました。また緑の色彩も豊かです。
一方CPLの反射カット効果を少なくすると、色彩の派手さは消え、落ち着いた印象になりますし、川面に流れる川霧の霞が映っている事がわかります。
このように、CPLの効果を変えながら何度もシャッターを切って、ちょうど良い落としどころを探る、というフィルターワークは、新鮮で楽しいものです。

④ND効果で、時に目障りな観光ボートも風景の一部にしてしまおう

CPL/ND WRの実践的活用


宮崎県の高千穂峡、有名な真名井の滝です。
海外からの観光客も多く、観光ボートでせっかくの滝の雰囲気が台無しになりがちですが、CPL/ND64 WRを使って長めのスローシャッターを切ることで、ボートの軌跡を風景の一部にしてしまいました。またCPLを使い、緑を鮮やかにすることで、水のカラーとの相性が良くなりました。

⑤紅葉と渓流で使用してみる

CPL/ND WRの実践的活用


紅葉の下を沢が流れています。おあつらえ向きのシチュエーションです。風が止んだ瞬間を狙い、カエデをつゆとも揺らさずに沢だけを流してみました。NDだけでは表現できないカエデの鮮やかさや水の透明感を表現しつつ、岩肌の濡れ感まではカットしない絶妙なCPLの位置を探してシャッターを切る。このフィルターが最も得意とする、またフィルターワークが最も楽しいシチュエーションです。CPL/ND16 WR使用。

⑥ソフトフィルターを重ねて朝の湿度感を表現する

CPL/ND WRの実践的活用


群馬県の奥四万湖。水中の微粒子の影響で青く見える美しい湖面と水没林の鮮やかさで人気です。湖上を吹き渡る風の動きをNDで写し取りながら、DHGフォギーソフトフィルターを重ね付けして、朝方の湿度感を表現してみました。CPLとNDが一体化しているからこそこんなフィルターワークも試してみたくなるものです。
CPL/ND64 WR+DHG FOGGY SOFT使用。